検収待ちで請求が進まないとき|納品記録とファクタリング相談の準備
納品後の検収待ちで請求・入金予定が分からないとき、受領日、検収結果、支払期日を分けて確認する手順を整理。取適法の対象取引の注意点と、ファクタリング相談で伝える事項を解説します。
納品日と検収完了日を別々に確認する
納品を終えたのに、取引先から検収待ちと伝えられ、いつ請求できるか分からない。そんなときは、納品した日、取引先が内容を確認する予定日、代金の支払期日を分けて確認します。ファクタリングの相談でも、請求書に書いた金額だけでなく、どの作業が終わり、何について返答を待っているのかを説明できる状態にしておきましょう。
ここでいう検収は、受け取った物や成果物が注文内容に合っているか、取引先が確認する作業を指します。荷物の到着を確認した担当者と、仕様を確認する担当者が違う場合には、それぞれに確認した内容を記録します。受領の連絡があることと、品質・数量について合意できていることを同じ扱いにすると、後から説明が食い違います。
まず注文書や契約書を開き、納品する範囲と検査の条件を読み直してください。納品書、配送記録、成果物の送信履歴などを照合し、先方が受け取った日を確かめます。続いて、検収が未着手なのか、確認中なのか、修正を求められているのかを問い合わせます。返答のない項目は、社内の一覧にも未確認と残します。
納品した数量の一部だけを先方が確認した場合には、その対象を特定してください。全部の検収が終わったようにまとめず、確認済みの部分と返答待ちの部分を分けます。後から担当者が変わっても、同じ納品分について話していると分かる記録が必要です。
検収待ちを理由に支払日を決め直してよいとは限らない
取適法の対象取引では、委託事業者は検査の有無にかかわらず、物品等の受領日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を定める必要があります。役務提供委託では、役務の提供をした日が基準です。検収が終わった日から数えればよいと一律に考えるのは適切ではありません。公正取引委員会「委託事業者の義務」
ただし、すべての事業者間取引にこのルールが適用されるわけではありません。取適法の対象は、取引の内容と、事業者の資本金規模または従業員基準で定まります。自社の取引が対象かを確認してから、契約上の日付と照合してください。公正取引委員会「取適法の概要」
また、公正取引委員会のQ&Aは、納期前の仮受領や、不適合が見つかって返品・再納品した場合を個別に説明しています。納品日の記録だけで例外まで判断せず、早期納品の合意や返品の経緯も残しましょう。日付の扱いに意見の相違があれば、契約書と時系列を用意して公正取引委員会や法律の専門家へ相談します。取適法Q&A・Q75、Q76
取引先には、止まっている工程を具体的に尋ねる
取引先への連絡は、検収を急いでほしいという依頼だけで終わらせず、請求と支払いに必要な確認まで進めます。納品時の窓口に確認したうえで、必要なら経理担当者にもつないでもらいましょう。尋ねたいのは次の内容です。
- 納品した物・成果物を受領しているか。数量や対象範囲に相違はないか。
- 検収を担当する部署と、結果を回答できる予定日はいつか。
- 修正が必要なら、どの部分が注文内容と異なり、何を直す必要があるか。
- 請求書の提出先・受付状況と、予定している支払日はどうなっているか。
電話で回答を受けたときは、確認した内容をメールなどで送り、認識が違う部分を返答してもらいます。担当者が検収予定だけを答えた場合に、その日を入金日として記録してはいけません。検収予定、請求書の受付、支払予定は別の項目です。
取適法Q&A・Q77では、請求書の提出の有無にかかわらず、受領後60日以内に定めた支払期日までに支払う必要があると説明しています。対象取引で請求書の提出が遅れた場合も、そのことだけで支払期日が自由に延びるわけではありません。自社は必要な請求書を速やかに提出し、取引先には既に定めた支払期日を確認します。公正取引委員会「取適法Q&A」Q77
未確認の入金を外した資金繰りも見ておく
検収の返答を待っている間も、仕入れや外注費などの支払予定は残ります。資金繰りを確認するときは、契約上受け取る予定の金額に加え、先方に確認できた支払日を記録してください。支払日の回答がない入金には印を付け、その入金を含めた見通しと、含めない見通しの両方を作ります。
日本政策金融公庫の『創業の手引』は、売上があっても回収と支払いの時期のバランスが崩れると、資金繰りが苦しくなる原因になると説明しています。売上の金額だけで判断せず、実際の回収予定と支払予定を並べるための参考になります。日本政策金融公庫『創業の手引』36ページ
支払期日が近いものは日付ごとに並べ、残高が足りなくなる日を確かめます。未確認の入金を除くと不足する場合は、取引先への確認と並行して、取引金融機関などに資金繰りを相談する準備を進めてください。回答のない入金日を、自社の希望する日付で埋めないことが大切です。
この整理は、取引先が遅延するという予測でも、支払延期を了承する手続きでもありません。約束どおりの入金を求めながら、確認が取れない間の支払いをどう行うか、自社で判断するための見通しです。回答を得たら、その根拠と確認日を添えて更新します。
ファクタリングの相談には未確定の事項も伝える
買い手に相談するときは、注文内容、納品の記録、検収の回答、請求額、支払予定が同じ取引を指しているか確かめます。検収が終わっていない、修正を求められている、金額について合意できていないといった事情は、そのまま伝えてください。買い手に何を追加確認してほしいのかも整理します。
検収待ちの請求について、必ず買い取ってもらえるとも、すべて対象外になるとも一括りにはできません。個別の取引内容と契約条件の確認が必要です。相談しただけの段階で、希望する買取額や入金日を確定済みの予定として資金繰りに加えないでください。
条件が提示されたら、手元に残る金額と入金の前提を確認します。金融庁は、高額な手数料によって、かえって資金繰りが悪化する危険性を注意喚起しています。検収待ちで不足する期間だけでなく、費用を負担した後の支払いも見て判断しましょう。金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
納品と検収の記録をそろえてから条件を比較する
次に行う作業は、返答待ちの納品分を取り出し、受領日、検収の状況、請求額、支払期日の根拠を一つずつ確認することです。取引先と認識が合っていない部分は、買い手への説明にも残します。公開する文章には実名企業名、担当者名、連絡先、添付資料の情報を含めず、機密情報は所定の開示条件を満たす取引内で扱ってください。
PayBridgeは、ファクタリングを希望する売り手と審査済みの買い手をつなぐマーケットプレイスです。プラットフォーム自身が買い取るサービスではありません。確認できた取引内容をもとに比較を進める場合は、PayBridgeのマーケットプレイスの仕組みを確認してください。買い手から条件を受け取った後も、未完了の確認事項と入金の前提を照らし合わせてから判断しましょう。
参考情報
記事作成時に確認した外部情報です。リンク先の内容や公開日は変更される場合があります。
- https://www.jftc.go.jp/toriteki/toritekigaiyo/oyagimu.html
- https://www.jftc.go.jp/toriteki/toritekigaiyo/gaiyo.html
- https://www.jftc.go.jp/toriteki/toriteki_qa.html
- https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/pdf/sougyou_tebiki_book_202406.pdf
- https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html
- https://paybridge.info/pages/factoring-marketplace