2社間・3社間ファクタリングの選び方|売掛先への連絡と入金後の作業
2社間・3社間を選ぶ前に、売掛先への連絡担当、通知の条件、支払先の確認、入金後の処理を整理。登記との違いと、買い手に確認する実務項目を解説します。
売掛先への連絡を、誰がいつ行うか決める
ファクタリングを検討するとき、売掛先に連絡するかどうかだけで方式を決めると、契約後の入金確認や送金の担当が決まらないまま手続きが進んでしまいます。比較する段階で、売掛先への連絡、支払先の確認、入金後の処理までを一続きの作業として確認しましょう。
ここでいう売り手は請求分を売却する事業者、買い手はそれを買い取る相手、売掛先は商品やサービスの代金を支払う取引先です。買い手と売掛先を混同すると、誰に何を確認するのかが曖昧になります。社内メモでもこの呼び方をそろえると、営業担当と経理担当が同じ前提で話せます。
この記事では、2社間・3社間の方式選びを、連絡と入金管理の実務に絞って整理します。手数料の相場や資金化までの日数で一律に優劣を付けず、自社と相手先が実行できる手順かどうかを見ます。
2社間では、売り手に残る作業を確認する
2社間は、売り手と買い手が契約し、売掛先への通知を行わずに進める方式として案内されます。売掛先から売り手へ代金が入り、その後に売り手が買い手へ送金する流れでは、売り手側に入金確認と送金の作業が残ります。基本の流れはPayBridgeの2社間ファクタリングの説明でも確認できます。実際の手続きは個別の契約で確かめてください。
相談時には、対象の請求分を誰が照合するか、入金を確認した後いつまでに買い手へ連絡・送金するか、担当者が不在なら誰が代わるかを決めます。売掛先から複数の請求分がまとめて入金される場合は、対象分をどの記録で区別するかも必要です。入金額だけを見て処理せず、請求一覧と入金明細を突き合わせる手順を用意しましょう。
売掛先が支払わなかった場合の扱いは、入金済みの代金を送金する作業とは分けて確認します。金融庁は、集金できなかった売り手に買戻しや自己資金での支払を求める仕組みなどについて、貸金業に該当するおそれを示しています。方式名や契約書の名称だけでは判断できません。不明な負担があれば、契約前に弁護士へ相談してください。出典:金融庁の注意喚起
3社間では、売掛先の確認窓口と回答時期を押さえる
3社間では、売掛先にも通知・承諾などの手続きに関与してもらいます。検討を始める際は、普段やり取りしている営業窓口に加えて、支払先の変更や承諾書の確認を扱う部署がどこかを確かめましょう。営業担当者への説明が済んでも、経理部門の処理まで終わったとは限りません。
買い手と先に確認したいのは、売掛先へ説明する担当、送付する文書、回答が必要な時期です。自社から説明するのか、買い手が連絡するのかを決め、双方が別々の内容を伝えないようにします。相手の回答予定が分からない段階では、希望した日に資金が入ると見込んで支払いを確約しないようにしてください。
売掛先に確認する項目は、対象の請求分、支払期日、支払先、変更を反映する時期です。すでに従来の口座への振込手続きを進めている場合には、買い手も含めて処理方法を確かめます。相手が回答できない項目は未確認として残し、回答日と確認した担当を記録しましょう。推測で空欄を埋めるより、何が決まっていないかを共有するほうが次の作業を決められます。
通知をしない説明と、登記の効果を混同しない
2社間を検討していても、通知の条件と債権譲渡登記の有無は別々に確認する必要があります。法務省のQ&Aでは、登記によって売掛先以外の第三者に譲渡を主張するための手続きと、売掛先に対して譲渡を主張するための手続きを区別しています。登記の買い手が後者を備えるには、登記事項証明書を交付して通知するか、売掛先の承諾を得る必要があると説明しています。出典:法務省Q&A・Q2、Q5
そのため、契約前に通知しないという説明を、どのような事情でも連絡しないという約束に読み替えないでください。買い手には、通知を行う条件、実行する人、事前に売り手へ連絡するかを質問します。登記を行う場合は、対象と費用負担も確認し、自社の契約内容と照合します。
法務省は、登記が債権の存在や実際の譲渡まで証明するものではないとも説明しています。登記があることだけで、請求内容の確認を省けるわけではありません。請求書、納品記録、契約内容に食い違いがあれば、解消してから判断しましょう。出典:法務省Q&A・Q6
連絡記録と提出資料を、取引ごとにそろえる
方式が決まったら、説明した内容と相手の回答を同じ取引の記録として保存します。電話で確認した場合も、確認日、確認事項、未回答の項目を残してください。条件を変更したときは、古い案と確定した内容を区別します。入金日や支払先について複数の説明が残っているなら、どれが有効かを関係者に確かめます。
社外に資料を送る際は、送付先と必要な範囲を見直します。別の取引先の請求書が同じファイルに入っていないか、共有先が意図した相手に限定されているかを確認してください。資料を加工・省略する必要がある場合は買い手に相談し、審査に関わる情報を黙って隠すことは避けます。
IPAの中小企業向けガイドラインは、経営者の指針と現場の実践手順をまとめ、資産管理台帳やクラウドサービスの安全利用の手引きも提供しています。社内の保存・共有ルールを整える際の参照先になります。ここで示した取引記録の整理は実務上の提案であり、IPAが特定のファクタリング手順を認定しているという意味ではありません。出典:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」
買い手に確認する内容を、取引開始前に整理する
方式を選ぶ前に、自社で担当できる作業と、買い手の回答が必要な条件を分けます。次の項目に答えがそろえば、手数料や入金予定日と合わせて比較できます。
- 売掛先へ誰が、どの条件で、いつ連絡するのか。
- 支払先の確認や変更に、誰の回答が必要なのか。
- 売り手が入金確認・送金を担う場合、その期限と不在時の担当は決まっているか。
- 支払の遅れや金額の相違が出た場合、最初に誰へ連絡するのか。
PayBridgeは、ファクタリングを希望する売り手と審査済み買い手をつなぐマーケットプレイスです。プラットフォーム自身が直接買い取ったり、資金を預かったりするサービスではありません。取引相手との条件確認を進める場として利用します。PayBridgeの仕組みを確認する
公開する案件のタイトルや説明には、実在の企業名、個人名、メールアドレスを記載しないでください。実名や資料の開示は取引開始後の対象参加者に限るという前提で、まずは方式の希望と確認したい作業を整理します。買い手の説明と契約内容が一致しているかを確かめ、未回答の条件が残っている間は、予定を確定扱いにしないようにしましょう。
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