在庫が増えて資金繰りが苦しいとき|仕入れとファクタリングの判断手順

在庫の積み増しで仕入代金の支払が先行するとき、在庫表と請求一覧を照合し、必要な資金の時期を確認する手順を解説。ファクタリングを検討する請求分と未販売の商品を分けて整理します。

PayBridge編集部
棚に残る在庫と出荷口へ運ぶ荷物を分けて描いた、倉庫の切り絵風イラスト

在庫を増やす前に、仕入代金を払った後の残高を見る

売れ筋の欠品を防ぐために仕入れを増やしたい。それでも、販売代金が入るより先に仕入代金の支払日が来るなら、発注前に手元資金を確認する必要があります。在庫の金額と、販売済みで入金を待っている金額を一緒に扱うと、いつ資金が戻るのか分からなくなります。

まず、追加の発注分について、仕入先への支払日と販売先からの入金予定日を並べてください。未販売の商品には、売上見込みと実際に決まった注文を分けて記録します。ファクタリングを相談する場合も、倉庫にある商品と、既に取引が発生した請求分を分けることが出発点です。

中小機構のJ-Net21は、資金繰りを金額だけでなく、支払から回収までの期間でも捉えるよう説明しています。在庫として保有している間も、その仕入れに使った資金は販売代金として戻っていません。中小機構の資金繰りに関する解説を参考に、追加発注で支払がどれだけ先行するかを確かめましょう。

倉庫の在庫と帳簿の残高を照合する

確認の対象は、商品だけとは限りません。製造業なら材料や加工途中の品もあります。担当者は、帳簿に載っている在庫について、実物があるか、販売や使用の予定があるかを確かめてください。返品された品や長く動いていない品を、通常どおり売れる在庫に混ぜないようにします。

社内の確認用一覧には、品目、数量、帳簿上の金額、入庫時期、次の使用・出荷予定を記録すると、追加発注が必要なものを検討しやすくなります。販売予定のない品に予定日を無理に入れる必要はありません。未定と記し、誰が販売方針を確認するかを決めます。

日本政策金融公庫は、商品回転期間を、棚卸商品が月商の何カ月分あるかを示す指標として説明しています。数値が大きいときは、在庫の滞留や過大な在庫による資金繰りの悪化に注意が必要です。公庫の財務指標の説明

ただし、比率だけで発注量を決めず、季節による需要の違いや納品までに必要な期間も確認してください。自社の過去の同じ時期と比べて在庫が増えているなら、その理由を営業担当者と仕入担当者に確かめます。受注に対応する積み増しなのか、販売が遅れて残っているのかで、次に取る行動が変わります。

販売前・販売済み・入金済みを分けて予定を組む

在庫表と請求一覧を照らし合わせ、同じ商品について、販売前の見込みと販売済みの請求を重ねて計上していないか確認します。社内の整理では、次の区分を使えます。

  • 販売前の在庫は、販売見込みと、まだ決まっていない条件を記録する。
  • 販売済みで未入金の分は、請求額、支払期日、入金確認の状況を記録する。
  • 入金済みの分は、通帳などの入金記録と照合し、今後の入金予定から外す。

納品しただけで請求条件が確定したと決めつけず、契約や検収の状況も確認してください。反対に、請求書を作ったという理由だけで未販売の商品を販売済みに振り替えることもしません。担当者間で認識が違う場合は、注文内容や納品記録まで戻って確認します。

ファクタリングは、一般に事業者が保有する債権を期日前に買い取る取引です。金融庁も、法的には債権の売買契約と説明しています。したがって、在庫商品の売却と、販売代金の請求分をファクタリングで売却することは別の取引です。金融庁の注意喚起

在庫の販売予定額を、そのままファクタリングで受け取れる金額として資金計画に入れないでください。どの請求分を買い手に確認してもらうのか、その取引の成立状況や入金予定を説明できる形にします。買取りの可否や条件は、個別の確認が必要です。

追加発注をする場合と抑える場合を比べる

発注前の資金繰り表には、追加仕入れの支払だけでなく、既に決まっている仕入代金、給与、賃料などの支出も入れます。月末の残高が足りていても、月の途中に支払が集中する場合があります。支払日ごとに残高を追い、どの日までに資金が必要かを確認してください。

追加発注を予定どおり行う場合と、数量を減らす場合について、支払予定を並べて比べます。仕入先と分納などを相談するなら、合意前の条件を確定した予定として扱わないことも大切です。納品や支払条件の変更が可能かは、契約と相手の対応を確認します。

販売が遅れた場合の予定も、別に残してください。まだ注文がない商品について、希望する販売日だけを使うと、支払が先行する期間を短く見積もってしまいます。予定を変更したときは、変更理由と確認日を添えると、前回から何が変わったかを担当者同士で確認できます。

ここで確認した不足額は、仕入代金の総額と同じとは限りません。既にある預金や確定している入金も含めて残高を追い、必要な時期と金額を絞ります。恒常的に不足が続くなら、発注量や販売条件の見直しとともに、取引金融機関などへの相談も検討してください。

ファクタリングの費用を引いた後も仕入れを続けられるか

販売済みの請求分を早めに資金化できる場合でも、次の仕入れまで含めて支払が続くかを確認します。買い手から示された買取金額だけを追加し、元の請求分の入金予定も残すと、同じ取引による資金を二重に数えてしまいます。契約上の資金の流れに沿って、元の予定と置き換える範囲を確認してください。

比較する際は、受取額と別途支払う費用、実際に入金される日の前提条件を整理します。入金までに必要な手続きが終わっていない場合、希望日を確定日として扱いません。費用を負担した後に、次回の仕入れや固定費の支払に足りるかまで確認します。

金融庁は、高額な手数料によって、かえって資金繰りが悪化する危険性を注意喚起しています。また、回収できない場合に売り手が買い戻すなどの条件について、貸金業に該当するおそれがあると説明しています。費用や負担が分からない条件は、署名前に確認し、法的な判断が必要なら弁護士に相談してください。金融庁の契約・手数料に関する注意点

買い手へ確認する請求分を決める

PayBridgeは、ファクタリングを希望する売り手と審査済みの買い手をつなぐマーケットプレイスです。プラットフォーム自身が債権を買い取る仕組みではありません。マーケットプレイス型の仕組みを確認したうえで、相談する請求分と、必要な資金の時期を整理してください。

準備する社内メモには、対象の請求額と支払期日、既に受け取った金額、確認が済んでいない条件を残します。公開用の文章に取引先の実名や連絡先を記載せず、機密情報は取引の参加者に限定して扱います。掲載や本人確認の完了は、買取りや希望日の入金を保証するものではありません。

まず在庫表と請求一覧を照合し、買い手に確認したい請求分を決めましょう。そのうえで、PayBridgeの仕組みと提示条件を確認し、仕入れの支払予定に合うかを判断してください。

参考情報

記事作成時に確認した外部情報です。リンク先の内容や公開日は変更される場合があります。

  1. https://j-net21.smrj.go.jp/solution/qa/financeqa/Q0759.html
  2. https://www.jfc.go.jp/n/zaimushindan/shihyo.html
  3. https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html
  4. https://paybridge.info/pages/factoring-marketplace

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