振込先変更メールが届いたら|請求書の確認手順とファクタリングの注意点

振込先の変更依頼を受けたとき、登録済みの連絡先で確かめる方法、社内承認の記録、請求書の修正範囲を整理。警察庁・IPA・金融庁の資料をもとに、ファクタリングの資料提出時に確認したい点も解説します。

PayBridge編集部
緑の電話の受話器と、確認用に分けて並べた無地の書類

振込先の変更は、登録済みの連絡先で確かめる

取引先から振込先を変えてほしいというメールが届いたら、会計ソフトの口座情報を更新する前に、以前から使っている連絡先で担当者に確認してください。届いたメールへの返信だけで、変更を確定させないことが出発点です。自社が代金を受け取る側なら、取引先から同じ確認を受けられるよう、変更担当者と連絡方法を決めておきます。

警察庁は、取引先や経営者になりすまして別の口座へ送金させるビジネスメール詐欺について、メール以外の方法での確認を勧めています。電話番号も、変更依頼メールの署名から拾うのではなく、名刺や手元のアドレス帳など、以前から保有するものを使います。警察庁の確認方法

2026年2月13日には、経営者を装ったメールからSNSグループへ誘導し、送金を指示する手口も警察庁が公表しました。メールからチャットへ移っただけでは、本人確認を済ませたことになりません。警察庁の注意喚起

以下は、公的な注意喚起を日々の請求・支払業務に当てはめた確認手順です。法令で一律に定められた社内様式ではなく、自社の担当人数や承認手順に合わせて使うための実務上の提案です。

いつものアドレスや証明書類だけで判断しない

送信者の表示名、請求書の見た目、過去の会話がつながっていることだけでは、変更依頼の真偽を判断できません。IPAは、取引先のメールアカウントを乗っ取り、正規のアドレスから偽の口座変更を依頼した事例を掲載しています。同じ事例集には、取引相手の証明書類を入手して偽装した事例もあります。IPAの事例集・事例5と7

そのため、担当者は書類を追加でもらうだけで確認を終えず、別の連絡経路で変更の事実を照合します。相手が電話に出ないときは、未確認の変更を承認済みとして登録しないようにします。支払期日が近ければ、社内の承認者へ未確認の理由を伝え、正規の連絡先を通じて取引先と対応を相談してください。確認待ちだからといって、支払期日を一方的に延ばせるという意味ではありません。

また、経営者名で依頼が届いた場合も、通常の承認手順を外さない扱いにします。普段の担当者を外す、急に別の連絡手段へ移すといった依頼を受けたときに、誰へ相談するかを先に決めておくと、受信者が一人で判断せずに済みます。

変更する請求分と承認者を記録する

確認の電話では、口座が変わったかという質問だけで終えず、今回の支払に関係する範囲を確かめます。社内の記録欄には、次の項目を用意すると照合しやすくなります。

  • 変更を依頼した担当者と、以前から登録していた確認先
  • 電話などで確認した日時、応答した担当者、変更理由
  • 変更後の口座名義と口座情報、変更を適用する請求分
  • 更新担当者、承認者、支払データへの反映状況

特に、すでに発行済みの請求書にも新しい口座を使うのか、次の請求分から使うのかを分けて記録してください。会計ソフトの取引先情報だけを直しても、作成済みの振込データや、別担当者が保管している請求書まで更新したとは限りません。自社でどの記録から振込データを作るのかを確認し、その作成元と今回の変更内容を照合します。

複数人で経理を担当しているなら、変更内容を入力する人と承認する人を分ける方法があります。一人で担当している場合は、経営者など確認を依頼できる相手を決めます。人数を増やすこと自体ではなく、変更依頼を受けた人だけの判断で登録と送金まで進めないための手順です。

自社の口座を変えるときは、請求書の行き違いを減らす

自社が請求側のときは、変更のお知らせに適用開始日と対象の請求分を明記し、取引先が保有する連絡先で確認してもらえるよう案内します。担当者名や署名を付けるだけで信用してもらおうとせず、相手の経理担当者が社内で確認できる時間と連絡経路を用意してください。

請求書を再発行する場合は、旧版と新版の関係を記録します。例えば、口座欄だけを修正したなら、請求金額や支払期日を変更していないことも併せて伝えます。再発行分を別の請求として扱わないよう、対象となる元の請求を特定できる形でやり取りを残してください。ここでの版管理は、二重請求や支払先の取り違えを避けるための運用案です。

取引先へ送付した後は、受領した担当者と反映予定を確認します。自社の控えだけを更新して完了とせず、取引先が旧版で支払準備をしていないかも確かめます。変更確認の記録や口座情報は、経理など必要な担当者が扱う場所で保管し、公開ページや不特定多数が見られる共有先には置きません。

ファクタリングでは、口座確認と契約確認を分ける

ファクタリングを検討している請求分で振込先の変更があった場合は、買い手に提出する請求書と、売掛先が保有する請求書の内容が一致しているかを整理します。すでに資料を提出しているなら、どの項目を変更したのか、誰が確認したのかを取引の相手へ伝え、修正前の資料が残っている前提で説明します。

買い手には、買取代金の入金先、売掛先への連絡担当者、口座変更が発生したときの確認方法を質問してください。通知や支払先に関する手続は契約内容にも関わるため、担当者のメールだけを根拠に自己判断で変更せず、契約書との整合を確認します。不明な法的条件は専門家へ相談する事項として残します。

口座名義を確かめる作業と、契約の負担を確認する作業は別です。金融庁は、ファクタリングを装う貸付けに注意を促し、売主が回収できない場合の買戻しや自己資金による支払など、実態によって貸金業に該当するおそれがあると説明しています。口座の確認が済んだことを、契約条件にも問題がないという判断に広げないでください。金融庁の注意喚起

誤送金が疑われる場合の連絡先を決めておく

すでに不審な口座へ送金した場合、警察庁は送金元の銀行にキャンセルや組戻しの手続を依頼し、メールとヘッダ情報を保存して警察へ相談するよう案内しています。社内では、銀行へ連絡する担当者と、受信から送金までの経緯を整理する担当者を決めます。これらの手続で資金が必ず戻るわけではありません。警察庁の被害発生後の対応

ファクタリングの比較を始める前には、提出する請求書の版と入金先を確認し、相手に質問したい変更点を整理してください。PayBridgeは、ファクタリングを希望する売り手と審査済みの買い手をつなぐマーケットプレイスです。プラットフォーム自身が債権を買い取る仕組みではなく、買取条件は取引相手と確認します。PayBridgeの仕組みを確認する

参考情報

記事作成時に確認した外部情報です。リンク先の内容や公開日は変更される場合があります。

  1. https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/bec.html
  2. https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/new-topics/260213/01.html
  3. https://www.ipa.go.jp/security/bec/bec_cases.html
  4. https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html
  5. https://paybridge.info/pages/factoring-marketplace

保有する債権の売却条件を比べてみませんか

PayBridgeでは、案件を登録し、買い手から提示された条件を比較できます。

案件を登録する