大口受注で資金が足りないとき|外注費・仕入代金とファクタリングの確認手順
大口受注を引き受ける前に、材料代や外注費の支払日と、納品後の入金日を確認。受注条件の相談、既存の請求分でのファクタリング検討、継続受注に備えた資金の整理を解説します。
受注額ではなく、入金前に出る支払いを数える
大きな注文が来ても、材料代や外注費を先に払えなければ、仕事を進められません。受注を決める前に確認したいのは、見込める利益と、代金が入るまでに必要な資金の両方です。ファクタリングを検討する場合も、新しい注文の金額と、すでにある請求分の金額を分けて考えます。
中小機構のJ-Net21は、売上が立ってもすぐには入金されない場合があり、収入と支出のタイミングに合わせて手持ち資金を準備する必要があると説明しています。材料の仕入れや外注を伴う大口受注では、自社の支払条件に置き換えて確認しましょう。出典:J-Net21「運転資金の考え方」
まず、新規の仕事で増える支払いを、材料、外注、運送などの費目ごとに書き出します。経理担当者だけで作らず、発注する担当者に見積書と支払条件を確認してもらってください。発注時の前払いがあるのか、納品後の支払いなのかで、必要な時期が変わります。
通常の給与、家賃、既存取引の支払いも同じ予定に残します。新規受注だけなら賄えても、会社全体では不足する日がないかを見るためです。材料を買えるかどうかで確認を終えず、納品まで作業を続けられる残高があるかを確かめます。
発注前に、支払日と請求できる時点をそろえる
受注先からの入金予定は、納期だけでは決まりません。契約案や注文書で、請求の条件、締め日、支払期日を確認します。分納しても全量の納品後にまとめて請求する条件なら、最初の納品分について先に支払ってもらえるとは限りません。
相手の担当者に確認する際は、次のように、回答が必要な事項を分けると整理しやすくなります。
- 材料の手配前に、注文内容と金額を確定できるか。
- 分納する場合、各回の納品分について請求できるか。
- 検収が必要な場合、確認する内容と担当者は誰か。
- 請求書の提出期限と、契約上の支払期日はいつか。
着手金や分納ごとの支払いを相談することも検討します。ただし、自社の希望を資金繰り表に確定入金として入れないでください。相手と合意した条件を記録し、必要に応じて契約内容にも反映します。合意に至る前は、現在提示されている条件で資金が足りるかを見ます。
仕入先や外注先への支払いを変更したい場合も、こちらだけで期日を延ばす前提にはしません。適用される取引ルールを踏まえ、相手と相談する必要があります。支払いの遅延を予定に組み込んで受注するのではなく、発注量や納期を含めて、実行できる条件を先に整えます。
新しい注文と、ファクタリングを相談する請求分を分ける
金融庁は、一般的なファクタリングを、事業者が保有する債権等を期日前に買い取るサービスで、法的には債権の売買契約と説明しています。注文の予定額を、そのまま利用可能な資金と考えることはできません。出典:金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
大口受注の材料代を用意するために、別の仕事ですでに発生している請求分について、買い手に相談する場面は考えられます。その場合は、資金の使い道と、売却を相談する債権の内容を別々に説明します。新規の注文書を用意した段階では、買い取りが決まったものとして資金計画に入れないでください。
相談する請求分については、請求額、入金予定日、入金済みの額、取引の進み具合を確認します。金額の変更や納品内容への異議があれば、その事実も伝えます。買い手が対象として扱えるか、いくらで買い取るかは、個別の確認と条件提示を待つ必要があります。
同じ請求分をすでに売却している場合は、新たに売却できる資金として扱いません。他社への相談状況や契約状況を社内で共有し、営業担当者と経理担当者が別々に話を進めていないか確認してください。新規受注の資金が必要だからといって、資料の日付や金額を変更して説明を合わせることも避けます。
繰り返し必要になる資金なら、融資の相談も進める
大口受注が今回限りなのか、その後も同じ規模で続くのかで、準備したい資金は変わります。継続する仕事なら、今回の入金を待つ間にも、次の材料代や外注費が発生しないかを確認します。最初の注文分だけを見て受注判断をしないための確認です。
日本政策金融公庫の一般貸付は、運転資金を使い道として掲げています。一方、業種や経営内容等によって利用できない場合があり、審査結果によって希望に沿えないことも明記しています。融資も検討する場合は、正式な案内で対象と条件を確認し、相談中の金額を確定資金として数えないようにします。出典:日本政策金融公庫「一般貸付」
相談時には、受注の根拠、仕入先・外注先への支払予定、取引先からの入金予定を対応させて持参すると、何のために、いつ資金が必要かを説明できます。今後の継続受注がまだ見込みなら、確定した注文と区別して示してください。
ファクタリングと融資を比べる際も、用意できる金額だけでは判断できません。それぞれの費用、契約上の負担、入金までに必要な確認、後日の支払いを整理します。相談を始めたこと自体を理由に、先行して外注契約や材料発注を確定させないようにしましょう。
入金が後ろにずれた予定でも、残高を確認する
受注の判断に使う予定は、合意した日程に沿ったものに加え、納品や入金が後ろにずれた場合も作ります。日数を一律に決める必要はありません。材料の調達、外注作業、納品先の受入れなど、自社で確認できた不確実な工程から、見直す日付を決めます。
入金が後ろにずれても、給与や家賃の期日が同じだけ動くとは限りません。残高が不足するなら、追加資金を確保できるか、受注量や納品日程を変更できるかを、約束する前に検討します。根拠のない追加受注や未承認の資金調達で穴を埋めた予定では、判断できません。
ファクタリングを利用する予定には、買い手から提示された買取金額と入金条件を反映します。売却した請求分の元の入金予定を自社で自由に使えるお金として重ねて数えず、契約上の受取先や送金の扱いに合わせて整理してください。金融庁も、高額な手数料によって資金繰りがかえって悪化する危険性を注意喚起しています。出典:金融庁の注意喚起
PayBridgeで条件を確認する前に用意すること
PayBridgeは、ファクタリングを希望する売り手と審査済みの買い手をつなぐマーケットプレイスです。プラットフォーム自身が買い取りや融資を行う仕組みではありません。買取金額や入金条件を確認し、売り手が取引相手を検討します。PayBridgeのマーケットプレイスの仕組み
掲載を検討する前に、今回不足する金額と必要日、相談する請求分の内容を分けて整理してください。公開するタイトルや概要には、実在企業名、個人の本名、メールアドレス、資料のファイル名などを書かず、具体的な資料は所定の開示条件に従って扱います。
大口受注を引き受ける返答の前に、まず入金前の支払いを埋められるか確認しましょう。そのうえで既存の請求分の売却を検討するなら、上記の仕組みを確認し、買い手に確かめたい条件を整理してください。掲載や相談によって、成約や希望日までの資金確保が決まるわけではありません。
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