有償支給材を相殺する請求書|ファクタリング相談前の確認順

発注元から有償で受け取った材料代金が製品代金と相殺されるとき、請求額と振込予定額をどう分けるか。対象の照合、差引き理由の確認、買い手への説明を整理します。

PayBridge編集部
陶器工房で、支給材料の粘土を運ぶ台車と完成した器を運ぶ台車が行き交うイラスト

請求書の額と、取引先から実際に振り込まれる予定額が違う。発注元から有償で受け取った材料の代金を、製品代金から相殺する取引では起こり得ます。ファクタリングを相談するとき、請求書の額だけを伝えると、買い手が確認する入金予定と食い違います。まず相殺の対象、時期、根拠を取引先と確かめ、請求分ごとの金額を整理しましょう。

相殺は「値引き」や「入金済み」と分けて考える

ここでいう相殺は、互いに支払うべき金額を突き合わせ、その範囲で決済することです。たとえば発注元が材料を有償で支給し、製品代金を支払う際に材料代金を差し引く形があります。国税庁も、相殺の事実を証明する領収書について、現実に金銭の受領がない場合と金銭を受け取る場合を区別しています。国税庁「相殺した場合の領収書」

相殺された額は、口座に入ってきた額ではありません。また、製品そのものの代金を合意によって下げる値引きとも、請求分の一部を現金で受け取る一部入金とも、確認する記録が違います。社内の資金繰り表で三つを同じ「入金」として扱うと、支払日に使える預金残高を読み違えます。取引先の明細に「差引後支払額」だけが載っている場合は、元の製品代金と差し引きの内訳を別に残してください。

どの材料代金を、どの製品代金と合わせたか

相殺の連絡が来たら、先に取引先へ対象を確かめます。支給された材料の品目と数量、支給日、その材料を使った製品の発注番号または納品単位、製品代金の支払期日を照合します。複数の発注分が一つの支払明細にまとまる場合、ある月の材料代金が別の月の製品代金から差し引かれていないかも確認します。金額が一致しても、対象の組み合わせが違えば、ファクタリングで相談する請求分の説明は変わります。たとえば前月の支給材が今月の納品分に使われたなら、支給日だけで機械的に相殺先を決めず、取引先の明細と製造記録を突き合わせます。材料が一部だけ使われた場合も、未使用分まで今回の請求分に含めないよう確認します。

公正取引委員会の取適法Q&AのQ117は、有償支給原材料の決済を相殺でなく別払いにする場合にも触れ、対象となる取引では原材料代金を、それを使って製造した製品代金より早く支払わせてはならないと説明しています。これは有償支給材料の具体的な取引に関する説明です。すべての相殺が適法、または違法だと一般化する根拠ではありません。取適法の対象か、材料が対象製品に使われたか、決済時期はどうかを個別に確認します。

取引先の説明が曖昧なら、明細の再発行や内訳の確認を求めることが先です。口頭で聞いた額だけで請求書を書き換えると、後で当初の発注内容との対応が追えなくなります。発注記録、支給材の受領記録、納品記録、請求書、相殺明細を、同じ取引単位でたどれるようにします。

「差引き」の理由を一括りにしない

支払明細から引かれた額が、すべて材料代金とは限りません。手数料、歩引き、返品、品質に関する調整などが混じる場合は、それぞれの根拠と合意日を確認します。公正取引委員会の同Q&AのQ94は、取適法の対象取引について、慣行や名目にかかわらず、発注時に決めた代金を発注後に減ずる行為を問題として示しています。ただし、個々の控除が代金減額に当たるかどうかは取引の内容と経緯によります。

売り手側で判断し切れない差引きがあれば、取引先に理由と対象を文面で確認し、必要なら公的な相談窓口や専門家に相談してください。争いのある控除を、合意済みの相殺として処理しないことが大切です。買い手へ渡す資料にも、確定した相殺と確認中の差引きを分けて記載します。後から明細が変われば、相談時の前提も更新します。

ファクタリングで相談する額を整理する

ファクタリングは、事業者が持つ請求に基づく債権を期日前に買い取る取引です。金融庁の注意喚起は、その契約の実態や著しく低い買取代金に注意を促しています。相殺がある案件では、請求書上の製品代金、確定した相殺額、振込予定額、ほかに未確定の差引きがあるかを、買い手に分けて伝えることが判断材料になります。ここから「請求書の額をそのまま買い取れる」「差引後の全額が対象になる」と決めつけることはできません。

説明用の一覧には、取引単位ごとに、当初の発注額、最終的な請求額、有償支給材料の代金、相殺の根拠と合意状況、予定支払日、振込予定額を並べます。数字が確定していない欄には未確定と書き、推定額で埋めません。支払明細がまだ出ていないなら、取引先がどの資料で相殺額を通知する予定かを尋ねます。買い手が求める書類と、取引先に確認する事項を混同しないためです。

2社間と3社間では、売掛先への通知や入金後の作業の組み立てが異なります。相殺予定がある場合には、誰が売掛先と内訳を確認するか、通知の前に何を確定させるか、支払額が変わったとき誰にいつ連絡するかを買い手に尋ねてください。連絡方法や必要資料は個々の取引条件によります。買い手の回答を受ける前に、売掛先へ一律の通知を約束する必要はありません。

資金繰り表には「振込予定額」を置く

請求書上の額と、相殺後に口座へ入る予定額を同じ欄に置かないでください。支払日の預金残高を見積もる欄には、確認済みの振込予定額を使います。相殺額の確定前は暫定と明記し、取引先から明細が届いた時点で直します。相殺によって支払うべき材料代金が消えることと、預金が増えることは別の動きです。国税庁の説明も相殺と金銭の受領を分けています。

ファクタリングによる入金を資金繰り表に入れるなら、買い手の条件が確定する前は確実な入金として扱わず、予定を別行で管理します。買取額や手数料、入金日、相殺後に誰が何をするかを確認してから、元の請求分の入金予定との重複を直します。金融庁は高額な手数料や買戻し義務などを伴う取引への注意も呼びかけています。金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」

PayBridgeは、ファクタリングを希望する売り手と審査済みの買い手をつなぐマーケットプレイスです。相談する前に、材料代金と製品代金の対応、合意済みの相殺額、残る振込予定額を一枚の一覧にしてください。数字を確かめたうえで、対象となる請求分と取引条件を買い手に確認できます。PayBridgeが債権を直接買い取ったり、相殺の法的判断を代行したりするものではありません。

参考情報

記事作成時に確認した外部情報です。リンク先の内容や公開日は変更される場合があります。

  1. https://www.jftc.go.jp/toriteki/toriteki_qa.html
  2. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7126.htm
  3. https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html

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